【ナイン・オールド・メン】表情豊かなキャラクターを生み出し、トップアニメーターへ「ミルト・カール」
ミルト・カール
1909年3月22日アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ
1987年4月19日78歳で亡くなる
1934年25歳の時ウォルト・ディズニープロダクションに参加
地元の劇場でディズニーの「三匹の子ぶた」をみて「アニメーション」という可能性に魅了されました。
16歳で高校を中退後、オークランドの会社の美術部門の仕事に就きそこで、のちにナイン・オールドメンを訓練することになるアーティスト・ハムルスクと出会い、彼の勧めによりディズニーで働くことになります。
カールは才能がある為、若くて未経験のアニメーターに関わらず、すぐに仲間のアニメーターから一目置かれるようになりました。
ナイン・オールドメンの中で最も卓越したデッサン力を持ち、実写映像や参考資料を見なくても動きをそのまま描くことが出来ました。
完全主義で気が短く、気性の激しい性格をしていた為ウォルトは彼の対処は「彼を2,3日の間冷却させて、それから彼と話すことである。」と述べています。
カールは自分のアイデアのいくつかについて公然とウォルトと意見を異にする勇気を持った数少ない人物の1人でした。
1976年に退職するまでの42年間ディズニーで働きました。
退職後はバレリーナの踊りなどの人物に繊細な彫刻をするなどの他の興味を追及しました。
ミルト・カールが手掛けたディズニーキャラクター
■「ピノキオ」ピノキオ
1940年2月7日公開の長編映画
なかなかウォルトが納得するピノキオのデザインが決まらず、1年以上の月日がかかりましたが、ミルト・カールが人間のピノキオを描いた後に、人形の特徴を加えるというかたちで本作のピノキオの最終デザインが決まりました。
■「ピーター・パン」ピーター・パン他
1953年2月5日公開の長編映画
ネバーランドに住む永遠の少年。公式設定によると12歳。
正義感が強いが女性にもてることを鼻にかけることもあり、女心の分からない面もある。また、子供特有の残酷な面も持ち合わせている。
■「王様の剣」マーリン他
1963年12月25日公開の長編映画
主人公に学問と智恵、優しさと強さを教える魔法使い。
偉大な魔法使いだがちょっとしたことにムキになるなど、気まぐれなところもあるひょうきんな老人。
マーリンのキャラクターにはウォルトが取り入れられているといわれている。
■「ビアンカの大冒険」マダム・メデューサ他
1977年6月22日公開の長編映画
ウォルト・ディズニープロダクション創立50周年記念として制作されました。
メデューサは派手好きでとても強欲な女性です。
ライバルでもあったマーク・デイヴィスのクルエラを越える悪役を描いて見せると意気込んで誕生したキャラクター。
ミルト・カールが関わった最後の作品になりました。